ソウゾウセカイ

Ivyと申します。ここでは主に小説を書いたりしています。コメントや★を付けていってくだされば嬉しいです。※小説には過激な内容が含まれることがあります。思いつきで書いているので、矛盾している点が多いです。そのため、過去の記事を書き換えることがあります。ご了承ください。

冒険者達の記録書 第18話 悪者の正体

Reg
「…」
ここは、城の近くにある酒場。やはりここは酒臭い。当たり前か。
…俺は城を出て、ここで師匠を探している。きょろきょろと周りを見回していると、一番奥のテーブルに緑色の髪の男性…師匠が突っ伏しているのが見えた。俺はそのテーブルまで歩き、師匠の体を揺する。
「師匠、起きてください」
「ああ~?なんだよぅもうすこ~し寝かせてくれたっていーじゃねーかよ~………!?」
師匠は俺を見るとバッと顔を上げ、俺の肩を掴む。
「レオンっ!?お前生きてたのかよ!?しかもすげー若返ってねーか!?羨ましいぜコノヤロウ!どうやって若返ったんだよ!ワシにも教えろよぅ~」
レオン。その人物を俺はよく知っている。レオン・ギルガ…師匠の親友で、俺の伯父だ。
…10年前に殺された…。
「…師匠、俺です。レグです」
「んあ?レグ?………。」
師匠は申し訳なさそうに目を逸らす。
「…その、なんだ、すまねぇ」
「………もう、平気です」
しばらくの沈黙が流れる。その空気に耐えられないのか、師匠は口を開く。
「…教会の奴らだったがよ…皆、夕方の森でぐっすり眠ってたんだ。命に別状は無いみたいで良かった良かった。教会が燃えちまった事にショックは受けたみてーだが、『皆で協力していつか教会を建て直します!』だってよ。あれならきっと大丈夫だな。これでワシも安心して酒が飲める!ガッハッハ!」
そう言って師匠はワインをがぶ飲みする。…そうか。教会の人は皆無事だったのか…。…それは良かった。
…ん?夕方の森?今朝俺達が通った森だな…。あそこには確か…
「師匠、その森で…動く木を見ませんでしたか」
「動く木ぃ?あー、確かにそんな感じのがいたな。あいつぁ絵本や伝説に出てくるようなモンスターか何かか?」
「…多分そうだと思います。俺達、ここに来る時にあの森を通ったのですが…あの木に襲われて。あの木、結構危険です。動物も食い殺すくらいですから」
「ま、マジかよ…!?じゃあ、あと少し助けるのが遅れてたら、教会の奴らは…!…あいつらが無事で良かったー…。おーい!酒もう1本!いや2本!レグも何か頼め!」
俺は「じゃあ、水を一杯」とだけ答える。
「……あー、そうだ。この前妙な噂を聞いたんだ。前、カルリエッタの監獄が凍ったろ?ほとんどの人間やトイフェルが凍結に巻き込まれたらしいんだが…中には生き残った奴もいるらしくてな」
…生存者がいたのか。
「今そいつらはメディステールで保護されてるらしいんだが…そいつらが言うには、『赤い目と白い肌のバケモノが、叫ぶように笑いながら牢獄を凍らせていた』…だそうだ。」
赤い目…白い肌…凍らせて…
「…!」
まさか…!
「…間違いなくテノールだろうな。白い肌に赤い目。それに…あんなにでかい雪の塊を出せる奴は他にいない。」
「……」
テノールが、カルリエッタの牢獄を凍らせた…犯人…。
「…悪いな、いきなりこんな事言っちまって…。
…遅くまで付き合わせて悪かったな。皆の事、頼んだぞ」
「はい」
俺は水を飲み干し、酒場を後にする。
「…おやすみなさい」
「おう」

Tenore
…ヘラーノ達は、本当に私を仲間として受け入れてくれるのか?…あり得ない。だって、私を見るヘラーノのあの目…これはどれくらい役に立つか、どう使ってやろうか、と考えているような…まるで……
…道具を見るような目だったから。
…「道具を見るような」?そんなの当たり前だ。私は道具なのだから。ただ命令を聞いて行動するだけの道具なのだから。道具に配慮なんて必要ない。どんなに傷ついても、使い続ける。完全に壊れるその日まで。…今までも、私はそうやって扱われてきた。
…でも、レグ達は違った。私を心配してくれた。「ありがとう」って言ってくれた。…どうして?…私がどんなに悪い人か、知らないから?
…コンコンとノックの音が聞こえる。
「…テノール。起きてるか?…こんな遅くにすまない。…だが、お前に話しておきたい事があるんだ。」