ソウゾウセカイ

Ivyと申します。ここでは主に小説を書いたりしています。コメントや★を付けていってくだされば嬉しいです。※小説には過激な内容が含まれることがあります。思いつきで書いているので、矛盾している点が多いです。そのため、過去の記事を書き換えることがあります。ご了承ください。

冒険者達の記録書 第28話 嫌いになんてならないから

Miku
テノール
わたしはテノールの名前を呼ぶ。返事はない。テノールはカルリエッタの牢獄にいた。そして、牢獄を凍らせた。わたしは、テノールに何があったのか知りたい。彼女を助けたい。
テノール
もう一度、名前を呼ぶ。テノールはこっちを向いてくれた。
「…」
テノールは虚ろな目でわたしを見ていた。…今にも倒れてしまいそうな、ふらふらな体。
「…やっぱり、何でもない」
今聞くのはやめておこう。テノールだって、その時の事はきっと思い出したくないはず。今、その事を話せば…きっと、テノールはまた倒れちゃう。
「大丈夫?ふらふらしてるけど…」
「…大丈夫。もうミク達に迷惑はかけない。」
「わたし達が迷惑とか、そういう問題じゃないの!苦しいなら苦しいって言っていいんだよ。」
「?」
テノールは不思議そうに首を傾ける。
テノール!ミクは多分心配してくれてるんだぜ!」
「…しんぱい?」
テノールは何かを考えるように首を捻っている。ルギはその姿を見て、笑う。
テノールがいっつもオレたちにやってるコトと同じじゃないかよ!いつもオレたちのコト考えてくれるじゃんか!だからオレたちを助けてくれるんだろ?それってさ、オレたちのコトが大切で大っ好きってコトだろ?ミクもおんなじだと思うんだ!テノールのコトが大好きだから、心配してるんだよ。な?ミク!」
そう言ってルギは眩しいくらいの笑顔をこちらに向ける。
「…うん。そう。わたしはテノールが大好き。テノールに苦しい思いなんかしてほしくない。1人で抱え込まないでほしいの。だから、話して。全部じゃなくてもいい。無理に思い出さなくてもいい。でも、1人で抱え込むより誰かに話しちゃったほうがずっと楽だと思うの。…大丈夫だよ。わたし、ずっとテノールの友達だから。テノールを嫌いになんてならないから。」
「…!」
「…あ、今じゃなくていいんだよ!テノールだって今は思い出したくないでしょ?聞いてほしい時だけでいいから…ね?」
テノールは「わかった」と小さな声で答える。
「よし、じゃあギーバに帰ろう!」
わたしたちは再び歩き出した。

「…ミク、ルギ、レグ。…ありがとう」