ソウゾウセカイ

Ivyと申します。ここでは主に小説を書いたりしています。コメントや★を付けていってくだされば嬉しいです。※小説には過激な内容が含まれることがあります。思いつきで書いているので、矛盾している点が多いです。そのため、過去の記事を書き換えることがあります。ご了承ください。

冒険者達の記録書 第44話 メディステール

Miku
 門の内側へ一歩踏み出せば、そこはもう異世界。磨かれたような、ピカピカの建物。大きな宝石が付いたオブジェが至るところに並んでいる。
 ここはメディステールの城下町、メディエ。街の人達は皆美人で、女の人は肩や胸が露出したセクシーな服を着ている。男の人はやけに高そうな、キラキラした生地の服を着ている。
「すっげーな!ピカピカでキラキラでさ!かっこいー!」
「……」
 レグは溜め息を吐く。ルギは目をキラキラさせてはしゃいでいる。テノールは不安そうに辺りを見回している。
「はぐれるなよ。」
 レグは歩き、わたしたちはそれについて行く。行き先は、メディステール城。

 玉座には、美しい女の人がいた。肩まである茶髪に、透き通るような青い目。青い宝石と金で作られた、豪華なイヤリングとネックレス。セクシーなピンクのドレスと、それにとても似合う、スタイルの良い身体。どこを見ても、「美しい」としか言えない。この人が、レージェシアン女王様……。
「あら、レグじゃない。久しぶり。2年前と変わらず地味ねえ。それにちょっと痩せたんじゃない?」
「お前が派手なんだよ、レージェ。」
 女王様は玉座から降りる。
「そちらはレグの従者の方かしら?」
「いや、友人だ。テノールに、ミクに、ルギだ。」
「あら、そうなの。……。」
 女王様はテノールをじっと見ている。
テノールはカルリエッタの囚人だ。元、と言った方が正しいがな。」
 レグは隠してもしょうがないと思ったのか、はっきりと言う。
「……そう。噂は間違ってなかったってことね。」
 テノールは女王様をじっと見ている。
「噂?お前が送った手紙に書いてあったことか?」
「ええ。それもあるわね。」
「それ『も』?」
 レグの顔が険しくなる。何か心当たりでもあるのかな。
「……ここではやめておくわ。あなたの為にも……ね。」
「そうか。感謝する」
「……ねえあなた。テノール……かしら。それとも、『15番』って呼んだほうがいい?」
 テノールは黙っている。『15番』?
「レージェ、俺はコイツを捕まえさせる為に来たんじゃない。お前に協力しに来たんだ。」
「協力?ああ、あの黒い塔のことね。」
「何か分かった事は?」
「まず、あそこの近くでは黒い霧が立ち込めてるわ。規模は結構大きくて……村が6つ、あの霧に飲み込まれてるの。」
「む、6つか……。その霧自体には害はないのか?」
「分からない。けれど……霧に飲み込まれた村人は全員行方不明になってしまったわ。誰かに調査に行ってもらいたくても、ケチで臆病で軟弱な大臣たちが許可を出してくれないの。」
 女王様は腕を組んでうーんと唸る。
「あたし自ら乗り込んでやろうとしたんだけど、それも大臣たちに止められて……」
「俺達が行く。」
「へぇ、貴方達が?覚悟は出来てるんでしょうね?」
「出来てるに決まってるじゃないか!」
 ルギが拳を胸に当てて言う。
「……」
 テノールは黙っているけれど、女王様をまっすぐ見ている。
「だって、わたしたち、そのためにここに来たんですから!」
「あら、頼もしいわね。それじゃあ、このことは貴方達に任せるわ。……でも、今日はもう霧の所に行くには遅すぎるわね。そうだ、今日はここに泊まっていきなさいな。」
「いいのか?」
「ええ。貴方と話したいことがいっぱいあるの。……逃がさないわよ。」
 レージェはレグに顔を近付ける。そのままキスでもしてしまいそうなくらいに。レグは、呆れたように手をひらひらさせる。
「……分かったよ。俺に話せることなら何でも話すさ。じゃあな。」
 レグは部屋を出る。続いてわたしたちも部屋を出た。

「……ねえ」
 テノールは顔を上げて言う。その声は少し震えていた。
「後で話がある。……聞いて、くれるか?」
「ああ、いいぜ!どうしたんだ?」
「……ここじゃ、話せない。から……」
「分かった。じゃあ後で客室で話そう。」
 レグは迷いもせず歩いていく。わたしたちもそれについていった。