ソウゾウセカイ

Ivyと申します。ここでは主に小説を書いたりしています。コメントや★を付けていってくだされば嬉しいです。※小説には過激な内容が含まれることがあります。思いつきで書いているので、矛盾している点が多いです。そのため、過去の記事を書き換えることがあります。ご了承ください。

冒険者達の記録書 第54話 信じない

Reg
「……というわけなんだ。悪いな、調査を中断して」
「構わないわ。」
 ここはレージェがいる城。俺達は一旦戻り、ローディンを休ませた。
「どんな時でも怪我人や病人がいたら助けなくちゃね。ミク、だったかしら。あの子の手当ての腕も大したものだわ。テノールの氷も役に立ったみたいね?……それで、何であの人はあんな怪我をしていたの?」
「それはだな……」
 
 メディエに戻る途中。俺達はローディンにそれを訊ねていた。
 
「何故あんな怪我をしていたのか、ですって?……まあ、気になるのも当然でしょうね。」
「ローディンは、逃げてきたの?もしかして、誰かに捕まってたの?」
 ミクは手を頬に当てる。自分の発言に違和感を抱いているようだ。確かに、ローディンが捕まっていたとは俺にも想像できない。
「あなたの腕、鎖みたいな痣があったの。」
 鎖?……ふと、ヘラーノの事を思い出す。あいつ、鎖を腕に巻きつけてなかったか?
「……ヘラーノが何かしたのか?」
 そう訊ねたのはテノール。彼女もグレーディオでの事を覚えているようだ。
「……違う、あれはあいつでは……」
 ローディンは小さく呟く。
「どうしたんだ?」
 ローディンは自嘲ぎみに笑う。
「……化け物に襲われたのです。化け物のような私が言うのもおかしい気がしますけどね。」
「化け物?どんな?」
 それを聞いて、ルギは身を乗り出す。
「……人の形をしていました。何かが人にまとわりついたような、そんな感じの……」
 そう言ったっきり、ローディンは口を閉ざしてしまった。
 
「と、いうわけなんだ。」
「化け物、ね。他にも気になるところがあるけれど……」
 レージェは腕を組んで唸る。
「まあ、考えていてもしょうがないわ。明日また調査に向かってくれるかしら?」
「ああ、分かった。今日は早く寝て疲れを取らないとな。というわけで、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
 俺は部屋を後にした。
 
Roadin
「……」
 身体は、自分が思っていた以上に弱っていたらしい。私以上に私を心配してくれたミク達には感謝しなければならないな。
 ベッドに横たわってそのまま寝ていたい。だが、眠る事ができない。……あの時の恐怖がまだ残っているのだろうか。
 ヘラーノに言われ、ベッドで寝ていた時。目を覚ました時には、私の腕は鎖できつく縛られていた。どうせヘラーノの悪ふざけだろう、と呑気に考えていた自分が恨めしい。……そして、私は何かが部屋にいるのを見つけた。……人に何か黒い物がまとわりついたようなモノ。その黒い物の下に、赤い服や鎖が見えた。……何故か、腕の鎖は徐々に緩くなっていった。それを一思いに引っ張り、起き上がった。そして、私は逃げた。先の鋭い鎖が足や腹を刺した。炎が肩を掠めた。それでも、私は幻を見せる魔法を使って欺きながら塔から逃げる事ができたのだ。……炎を操る、ということはやはりあれは……ならば、何故?アイツはメリーサの所に行っていたはずだ。だとしたら……やめよう。こんなことを考えていたら気が狂いそうだ。寝よう。無理矢理にでも寝なければ。
「に……げ……」
 アイツの苦しそうな声が、頭から離れない。……違う、あれはアイツじゃない。私は信じない。信じない、信じない……