ソウゾウセカイ

Ivyと申します。ここでは主に小説を書いたりしています。コメントや★を付けていってくだされば嬉しいです。※小説には過激な内容が含まれることがあります。思いつきで書いているので、矛盾している点が多いです。そのため、過去の記事を書き換えることがあります。ご了承ください。

冒険者達の記録書 第57話 黒い霧

Reg
 また、ここに戻ってきた。目の前には以前と同じ霧が広がっている。
「あそこにメリーサが……」
 ルギは腕輪をぎゅっと握る。
「レグ!早く行こう!」
 その表情からは、いつものような気楽さは感じられなかった。
 
 視界は霧の黒で覆われている。霧は前より濃くなっている気がする。何故か、息が苦しい。この感覚、どこかで……。……ああ、そうだ。闇に覆われた光の樹に近付いた時だ。
 手を掴まれる。掴んでいるのはルギの手だろうか。分かっているのに、背筋に何かが走るような感じがする。何か恐ろしいものが俺を捕まえているような、そんな……
「……レグ!」
 ルギの声が聞こえる。やっぱりこれはルギの手だったか。
「大丈夫かよ、レグ?なんか変だぞ。」
 ルギは平気なのだろうか。
「……っ、だ、大丈夫だ。……行こう。」
「……」
 目の前で緑色が光った。その瞬間、吹き飛ばされそうなほど強い風が吹く。そして霧が晴れ、息苦しさもなくなった。そして、その数秒後……爆発のような強い風が吹いた。
「うわぁっ!?」
 ルギの身体が吹き飛ばされる。
「ルギ!」
 俺はルギの所へ駆け寄る。
「いててて……」
 ルギは頭をさすっている。
「何が起こったんだ?」
「よく分かんないけど……」
 ルギは周りを見回す。……辺りは晴れている。先程のように黒い霧が戻ってくることもない。
「チャンスだな」
 霧が戻ってくる前に塔に乗り込もう。……ルギも同じ事を考えていたのだろう、俺の目を見て頷いた。
 目指すは、あの黒い塔。