ソウゾウセカイ

Ivyと申します。ここでは主に小説を書いたりしています。コメントや★を付けていってくだされば嬉しいです。※小説には過激な内容が含まれることがあります。思いつきで書いているので、矛盾している点が多いです。そのため、過去の記事を書き換えることがあります。ご了承ください。

『A』 第7話 ザラザラ肌のストレン

Alva
 ニール達の家から少し離れた住宅地。そこには大きな人がいた。……いや、「人っぽい何か」だ。黒く無機質な目に、砂を固めたようなザラザラ肌。ぼこぼこに膨れ上がった腕と脚で建物を潰している。これがストレンか……。
 道は血や瓦礫や怪我人で埋め尽くされている。奴の目の前には、怪我をした男の子が。これ以上ここで暴れられたらまずいな……。
「……」
 ストレンに近寄ると、奴はこちらを向いた。
「……」
 奴は意外と素早い動きで私を追う。さて、なるべく近くて、人の少ないところで、広いところまで逃げないと……。
「……あ」
 住宅地のすぐ横に広場が見えた。いいところがあったじゃないか。私はそこまでストレンを誘導した。
 
 広場まで来ると、私は袖を捲り剣を握り直した。そして、ストレンに斬りかかった。肉を切るような感触が手に伝わる。……なんだ、私も結構剣が使えるんだな。奴は黒い血を流しながら、再び私に飛びかかった。それを避けそいつが着地したところに剣を刺そうとする、が、奴に右手を掴まれてしまった。尖った石のような爪が腕に刺さり、血が垂れる。
「……」
 ストレンは私の腕を引っ張り、口元に持っていく。ごき、と肩が不吉な音を立てる。
「ひっ」
 ……どうやら奴は私の血を吸っているようだ。夢中で私の右腕に吸い付いている。
「……」
 血がなくなっていくのを感じる。このままでは死んでしまう。死ぬのは怖い。死ぬのは嫌だ!
 私は左手に剣を持ち、ストレンに突き刺した。剣は奴の胸を貫通し、その身体は痙攣しながら倒れた。剣を抜くと、真っ黒な血が地面に広がった。血はめまいがするぐらいの甘い臭いを放っている。黒い血がこんなにたくさん……。
「……」
 私が、殺した。この化け物を、私が。
「ぅぷ……っ」
 吐き気を無理矢理抑えて、死体から1歩離れる。
 そうだ。この死体の始末をしなければ。私がやったのだからちゃんと責任を持って片付けないと。でも、どうやって片付ければいいのだろう?
「……」
 それから、服も洗わないと。買ったばかりなのにもうこんなに汚れてる。剣も洗って、あったところに戻して……
「皆のもの、道を開けろ!」
 ゼノンと同じような鎧を着けた人達がやってきた。先頭には長いひげの男の人がいた。
「ふむ、こいつを持っていけ!」
 男の人が指示を出すと、鎧を着た人達は死体を運んでいった。
「……」
 あの死体はあの人たちに任せておけば大丈夫だろう。重く感じる足を引きずって、家に戻った。
 ……ああ、身体中が痛い。